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時空 解 さんの日記

[2021-1] 
 
2021
1月 28
(木)
19:36
ヘンドリック・ローレンツ? 否、エドワード・ローレンツと初期値鋭敏性
本文
皆さんこんにちは、時空 解です。

今日は書籍「時間とはなんだろう?」の第3章を読みました。
なるほどぉ~。現実の時間と人間の感じる時間の関係が、脳の記憶と思考の関係と結び付けて分かり易く書かれています。

この第3章の中にある最後の節
・私たちが感じる「時間」の本質は?

は、著者の時間に対する思想が大まかに記述されているところのようです。
ポイントとしては下記が挙げられるでしょう。
初期値鋭敏性 (カオス論) からエントロピー増大の説明をへて、脳をコンピュータに例えつつ、下記の記述が成されていますのでご紹介しておきます。
 

このように、記録と判断の双方がメモリの情報量を増加させます。この状態のメモリを参照した演算装置は、「判断をおこなうことで情報が増加した記録のある情報」という、入れ子構造になった情報を入手することになります。
あくまでも私の考えですが、私たちは、この入れ子構造を時間の方向と感じているのではないでしょうか?

松浦壮. 時間とはなんだろう 最新物理学で探る「時」の正体 (ブルーバックス) (Kindle の位置No.678). 講談社. Kindle 版. 

このように記憶したことを想い出しながら、目の前の現実・体験を見て、感じて、分析して、新たに創り上げる情報をまた記憶する。
これを「入れ子構造」と言う表現を使って、時間と結び付けているところがとても鮮やかな表現だと思いました。

まぁ、脳のある分部から記憶を引き出して、目の前のことと比較検討する、と言う行為自体、時間を要すると考えてしまうとね。汗
上記の考え方は全く馬鹿げた言い分に聞こえます。
でも、あくまでも
「時間とは人間の感覚が創り出している "仮定" の尺度だ」
と言う立場を取った場合の話です。

そもそもこの第3章は
「どうして時間は逆戻りしないのか?」
と言う話から初期値鋭敏性 (カオス論) と言う話が出で来るのですが、ここが個人的には目新しい話でした。
初期値鋭敏性 (カオス論) を世に知らしめたのはエドワード・ローレンツと言う気象学者です。

(余談ですが) ローレンツと言うから始め私は「ローレンツ収縮のローレンツなんだな」なんて想っていました。でも違うんですね。ローレンツ収縮のローレンツはヘンドリック・ローレンツなんですね。

さて、話を戻して、

このカオス論より、時間があたかも元に戻らないように観測される理由として挙げられます。
どうして熱い珈琲が冷めるのか?その逆がどうして起きないのかも、個人的にも納得のゆくところです。時間の矢と言う言葉は知っていましたが、その明確な考え方が頭の中で整理された感じでした。

第4章も楽しみです。

では今日も休日を始めています。休日の充実こそ、人生の充実です。
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