TOP

Home  >  ブログ  >  時空 解  >  数学検定  >  数検、準1級1次、過去問。$ x = \displaystyle \frac{ 1 + \sqrt{7} i }{ 2 } $ の時 $ x^3 + 2x^2 + 7 $ の値は?

時空 解 さんの日記

[2021-8] 
 
2021
8月 18
(水)
11:01
数検、準1級1次、過去問。$ x = \displaystyle \frac{ 1 + \sqrt{7} i }{ 2 } $ の時 $ x^3 + 2x^2 + 7 $ の値は?
本文
皆さんこんにちは、時空 解です。

数検の提携会場受検が今月の28日に迫っています。
私もボチボチと2級2次検定の学習を進めています。ここの会員の方の中にも、数検の受検に向けて学習を進めておられる方がいらっしゃいます。

数検に挑んでいるみなさん、一緒に頑張りましょうね!

昨日は、そんな会員の方からコメントを頂きました。

・コメントへのリンクはこちら

コメントの内容を一番よく表している一文は
「上手く式変形すれば、楽に計算できるものなのか?」
と言ったところでしょう。

数検の準1級の問題となると、たとえ1次であっても、ただ計算をすれば良い、と言うものでは無くなってくるようですね。
なにも考えずにまともに計算を始めると、時間が掛かってしまう場合もある - この点がちょっと怖いです。

会員の方から教えて頂いた問題は、次の通りです。(これは実際に過去に出題された過去問です)
 $ i $ を虚数単位とします。 $ x = \displaystyle \frac{ 1 + \sqrt{7} i }{ 2 } $ のとき、$ x^3 + 2x^2 + 7 $ の値を求めなさい。
皆さんでしたら、この問題をどう攻略しますか? …ではさっそく問題に取り掛かりましょう!

  …と  その前に…
    ちょっと待って下さいね! うーむ01

この問題を解く前に次の問題を考えてみてください。front-Q とでもしておきましょう。
 
front-Q
 $ i $ を虚数単位とします。 3次方程式 $ x^3 + 2x^2 + 9 = 0 $ の解の一つは $ x = \displaystyle \frac{ 1 + \sqrt{11} i }{ 2 } $ であるか否か。
   解の一つである場合は ○。そうでない場合は × で答えなさい。

この front-Q の解法はピンくるでしょうか?
高校数学のIIで学習する「高次方程式」の問題ですよね。

答えは ○ です。

求め方は簡単で、実際に $ x $ を与式に代入して、その値が $ 0 $ になるか否かを確認すれば良いです。

でも、これだと虚数単位を含む分数計算を行うことになります。もうちょっと上手い方法はないかなぁ…と、皆さんも感じられると思います。

他に考えられる方法としては、実数解がどんな値か当たりを付ける、というものがあるでしょう。
実は、この $ x^3 + 2x^2 + 9 $ は $ (x + 3)(x^2 - x + 3) $ と因数分解できます。

 $ x^3 + 2x^2 + 9 = 0 $ となる $ x $ の実数値は?

この問いについても、$ x $ に実数を代入して、式の値が $ 0 $ になるのかを確認する必要があります。
でも、計算は簡単で、しかも3つ程度で済みます。

まず $ x $ に代入するのは整数として、負の数が妥当だということは分かりますよね?
それが分かったのなら、後は下記の計算をするだけです。
 
$ x = -1 $ の時は $ x^3 + 2x^2 + 9 = 10 $ 
$ x = -2 $ の時は $ x^3 + 2x^2 + 9 = 9 $ 
$ x = -3 $ の時は $ x^3 + 2x^2 + 9 = 0 $ 

つまり、
 
$ x = -3 $

$ x^3 + 2x^2 + 9 = 0 $
 
の一つの実数解だと分かります。

次に $ (x + 3) $ で  $ (x^3 + 2x^2 + 9) $ を割ります。

割り算の結果は
$ x^2 - x + 3 $
です。

これを2次方程式の解公式で解くと
$ x = \displaystyle \frac{ 1 \pm \sqrt{11} i }{ 2 } $ 
となり、 front-Q の答えは ○ だと分かります。

ここまでで、問題を考える時に試行錯誤する必要がある内容は
 
・直接 $ x^3 + 2x^2 + 9 $ に  $ x = \displaystyle \frac{ 1 + \sqrt{11} i }{ 2 } $ を代入して計算する方法
・高次方程式のテクニックを使って確認する方法

上記2つだと、当たりが付くのではないでしょうか。


ではこの2つを踏まえて、もと問題に戻りましょう。
 $ i $ を虚数単位とします。 $ x = \displaystyle \frac{ 1 + \sqrt{7} i }{ 2 } $ のとき、$ x^3 + 2x^2 + 7 $ の値を求めなさい。


まず初めに、与えられた $ x $ を式に代入したら $ 0 $ になるか否かの当たりをつけたいですよね。
ですので、下記を実施します。
 
$ x = -1 $ の時は $ x^3 + 2x^2 + 7 = 8 $ 
$ x = -2 $ の時は $ x^3 + 2x^2 + 7 = 7 $ 
$ x = -3 $ の時は $ x^3 + 2x^2 + 7 = -2 $ 

この結果を見て、実数解は整数でないことがわかりますよね。$ 2 \lt x \lt 3 $ です。

この時点で $ x^3 + 2x^2 + 7 $ の因数分解はキレイな形ではできないことが想像できます。

だとすると、この問題は
$ x = \displaystyle \frac{ 1 + \sqrt{7} i }{ 2 } $
を代入して計算しても、$ 0 $ ではない値が出てくる可能性が高いだろうなぁ…と思えませんか?
まぁこの判断はちょっと強引かも知れませんけどね。

ともかくこの時点で、私なら $ 0 $ にはならないな、と判断して直接式に $ x $ を代入、計算をはじめます。

まずは $ x^2 $ を求めましょう。
$ \displaystyle {\left( \frac{ 1 + \sqrt{ 7 } i }{ 2 } \right )}^2 = \displaystyle \frac{ -3 + \sqrt{ 7 } i }{ 2 } $

次に $ x^2 \cdot x $ を行います。
$ \displaystyle { \left( \frac{ -3 + \sqrt{ 7 } i }{ 2 } \right )} \cdot \displaystyle \frac{ 1 + \sqrt{ 7 } i }{ 2 } = \displaystyle \frac{ -5 - \sqrt{ 7 } i }{ 2 } $


最後に上の2つ結果を持って $ x^3 + 2x^2 + 7 $ を計算します。

皆さんならどう致しますか?
もっとよい思考錯誤・手順があるようでしたら、コメントを頂けるとありがたいです。

では今日も休日を始めています。休日の充実こそ、人生の充実です。

【今日の記事を評価して頂けましたら、下記をクリックしてね。Amazon サイトで関連書籍が見れます (アフィリエイトにご協力をお願いします) 】
   ♪ - クリックのみでも充分に嬉しいです - ♪
       ------------------------------    
閲覧(1265)
コメントを書く
コメントを書くにはログインが必要です。
メインメニュー
ログイン
ユーザー名:

パスワード:



日記投稿者リスト
カレンダー
月表示
カテゴリー
にほんブログ村リンク