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時空 解 さんの日記

[2021-8] 
 
2021
8月 27
(金)
17:41
二日前のコメントへのご返事。$ \displaystyle \lim_{ n \to \infty } \left( 1 + \frac{ 5 }{ n } \right )^{2n} $。数検準1級1次検定問題
本文
皆さんこんにちは、時空 解です。(すみません、おそくなりました)

今日はファインマン物理学をお休みして、会員さんからの8月25日のコメントについて書いてみたいとおもいます。
コメントは下記のリンクからご参照ください。
・RE: ファインマン物理学の記念すべき第1問。本書と問題集では違っています

コメントには3つの問題が記載されています。下記にそれを書き出してみましょう。

 

問題2
$ r $ を正の実数とします。2つの円
   $ (x - 2)^2 + (y + 1)^2 = 9 $
   $ (x + 1)^2 + (y - 3)^2 = r^2 $

がことなる2個の共有点をもつとき、$ r $ のとり得る値の範囲を求めなさい。
問題4
$ i $ を虚数単位とします。複素数 $ z = 1 - i $、$ w = \sqrt{ 3 } + i $ について、次の問いに答えなさい。
(1) $ z^6 \cdot w^3 $ の絶対値を求めなさい。
(2) $ z^6 \cdot w^3 $ の偏角 $ \theta $ を求めなさい。ただし、$ 0 \leqq \theta \leqq 2 \pi $
問題7
次の極限値を求めなさい。
     $ \displaystyle \lim_{ n \to \infty } \left( 1 + \frac{ 5 }{ n } \right )^{2n} $


 

 

まずは問題2ですが、これはコメントにあるとおり、とても単純な問題ですよね。
2つの与式は、円の方程式です。
中心点はそれぞれ

$ (2,~-1) $、$ (-1,~3) $

ですから、
「2個の共有点をもつ」
と言う、その意味を理解出来ればすぐに答えは出ます。

直線と円との共有点ではありませんからね。ここは冷静に考えれば、求める $ r $ の範囲はピタゴラスの定理を知っていれば導けます。
2つの円の中心点の距離は

$ 3^2 + 4^2 = 5^2 $

ですから $ 5 $ ですよね。したがって、$ (x - 2)^2 + (y + 1)^2 = 9 $ の円の半径は $ 3 $ ですから、

$ 5 - 3 = 2 $

です。
$ r $ が $ 2 $ よりも大きくなれば、2つの円は2点の共有点を持つことになります。
また、$ r $ が大きすぎると今度は $ (x - 2)^2 + (y + 1)^2 = 9 $ の円周を通り越して $ (x + 1)^2 + (y - 3)^2 = r^2 $ の円周が広がってしまいます。

上記2つから $ 2 \lt r \lt (2 + 6) $ だと分かります。

答え:$ 2 \lt r \lt 8 $
参考 geogebra:https://www.geogebra.org/m/jn2an7wp


ところで、この問題を間違えるとしたら、それは円の中心点の距離 $ 5 $ の2乗の値 $ 25 $ から $ 9 $ を引いた値 $ 16 $ を $ r^2 $ と勘違いするところでしょうかね?
$ 16 $ の平方根を取って、$ 4 $。
この $ 4 $ を答えの「小さい値の方」と間違える…?


次の問題4は、まぁキッチリと計算してやるしかない問題ですかね…もしかしたら、もっと与式をシンプルに変形することができるのかも知れませんが、現時点での私の数学力からしたら、下記方法をとります。
 $ \left( (1 - i)^2 \right )^3 \cdot ( \sqrt{ 3 } + i )^3 $
$ = ( -2 i )^3 \cdot ( \sqrt{ 3 } + i )^3 $
$ = 8 i \cdot ( \sqrt{ 3 } + i )^3 $
$ = 8 i \cdot 8 i $
$ = -64 $

この絶対値なのだから $ 64 $

$ (a + b)^3 = a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3 $ の公式がつかいこなせるか…ですね。
$ -64 $ が出て来て、その絶対値としては $ 64 $。ですから、偏角としては $ 180 ^\circ $ である $ \pi $ ですよね。


最後に問題7です。
これはリミットの公式で $ \displaystyle { \lim_{t \to \infty}  \left( 1+t \right)^{\frac{1}{t}}=e} $ を知っている必要がある問題ですね。
でも、この公式を知っていれば、後はそれほど難しくはないです。

$ \displaystyle { \left( 1 + \frac{ 5 }{ n } \right )^{2n} } $ を $ \left( 1+t \right)^{\frac{1}{t}}=e $ の形に持って行ければ、答えに辿り着けます。

$ \displaystyle \frac{ 5 }{ n } = t $ とおいて、与式を変形します。$ 2n $ のところも $ t $ を使う必要がありますから $ n = \displaystyle \frac{ 5 }{ t } $ より、$ 2n = \displaystyle \frac{ 10 }{ t } $ を使います。

与式 $ = \displaystyle { \lim_{t \to \infty}  \left( 1+t \right)^{\frac{10}{t}} } $
  $ = \displaystyle { \lim_{t \to \infty}   \{ \left( 1+t \right)^{\frac{1}{t}} \} ^{10} } $

  $ = e^{10} $

答え:$ e^{10} $


では今日も休日を始めています。休日の充実こそ、人生の充実です。

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