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時空 解 さんの日記

 
2015
7月 30
(木)
22:10
「読む数学」瀬山士郎著 を読んで。その3 数学の才能とは
本文

みなさん、こんにちは。
昨日の続きです。書籍「読む数学」の「方程式を解くということ - その1」に付いての疑問を昨日書きましたが、その後書籍を読み進んで行くと、なんと!「もう一つの視点」と言う章に、昨日の疑問に対する一つの応え(回答ではない)らしきものが書かれていました。
「解と係数の関係から α + β の値がわかり、もう一つの式として α - β を使いました。なぜひいたのだろうか? これは難しい質問ですが、じつは -1 が 1 以外の 1 の平方根であることが本質的だったのです。」
この文を読んで、一応の納得が私の頭の中(心の中?)で出来ました。例えるならば、数学の図形問題を解く時に「補助線を引くと、証明がしやすくなる」と言う事と同じです。この補助線。どうしてそこに補助線を入れる事を思い付くのだろう?と、補助線が頭に浮かばなかった人は思うはずです。これと同じなのではないでしょうか?つまり、解と係数の関係から解の公式を導くために、「 α - β 」と言う補助線を引いた、と解釈できるのです。数覚と言うものでしょう。
「3次方程式のカルダノの公式」と言う章にも、「 x = y - b/3 」と言う式を3次方程式に代入して、y の二乗の項を消去する、と言う記述が出てきます。これも同様なのだと思います。先人が苦労して見つけ出した補助線なのだと思います。
三次方程式 と言う文字列をインターネットで検索すると Wikipedia にこんな記述が乗っています。
「三次方程式の代数的解法はガロア理論へと至る代数方程式論の始まりであり、カルダノが著書『アルス・マグナ』によって三次方程式と四次方程式の代数的解法を公表した1545年は、その影響の大きさから現代数学の始まりの年とされることもある。」
数学の歴史から見ても、この三次方程式の解の公式を見つける事は一大事だった事が伺えます。本書「読む数学」はこの大変な時代を私たちに分かり易く紹介してくれている良い書籍なのかも知れません。
どうすれば「補助線」が頭の中にひらめくようになるのか?それは、そもそも数学の才能の事なのかも知れません。才能のなせる業を文章にしたり人に分かり易く伝える事は難しい事なのですね。

数学者は一ヶ月で1000枚の A4 用紙を数式で埋めるほどに、手書き計算をするのだそうです。このくらいでないと数覚は身に付かないのでしょうかね・・・。

では今日はこの辺で。


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