時空 解 さんの日記
2016
5月
6
(金)
00:15
本文
みなさん、こんにちは。
2013年頃に放送されたNHKスペシャルで「神の数式」と言うのがありました。この「神の数式」は4回に渡って放送されたNHKスペシャルです。ヒッグス粒子が実験的に確認された事を受けて、この「神の数式」と言うNHKスペシャルが作られたのでしょう。当時、私はこの番組を見逃してしまいましたが、さきごろNHKオンデマンドで観る事が出来ました。量子力学の標準理論がとても分かり易く解説されています。と言うか、物理学者がどんな苦労をして導き出したのか、それが分かる番組に仕上がっています。(神の数式 第1回、第2回)
また量子力学の標準理論にアインシュタインの一般相対性理論を統合して超弦理論に到達するまでの道のりを一通り説明しています。(神の数式 第3回、第4回)
この道すじに沿って、現代物理学の勉強を進めるのもいい方法だと思います。ちょっとその道筋をまとめてみましょう。
今日はその第1回、第2回のまとめ、標準理論が出来るまでです。
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第1回 神の数式
シュレディンガー方程式(シュレディンガーの波動方程式)1926年頃
第1回 神の数式
シュレディンガー方程式(シュレディンガーの波動方程式)1926年頃
--実験結果を数式に置き換える作業 → 数学的対称性を考慮して数式を変形する。
----回転対称性
----並進対称性
----ローレンツ対称性
----回転対称性
----並進対称性
----ローレンツ対称性
ディラック方程式(相対論的量子力学)1928年頃
--電磁気学の方程式をディラック方程式に取り込む為に、もう一つの対称性を考慮する。
----ゲージ対称性
----ゲージ対称性
オッペンハイマーの挑戦(無限大の問題) 1933年頃…第二次世界大戦によって中断。
--オッペンハイマーへ、朝永振一郎からの手紙 1948年頃
--ファインマンの論文
--シュインガーの論文
--(無限大は3種類に分けられ、全部質量の中にくりこむ事ができる)
--ファインマンの論文
--シュインガーの論文
--(無限大は3種類に分けられ、全部質量の中にくりこむ事ができる)
くりこみ理論。(ディラック方程式と電磁気力の統合)1950年代
--強い核力と弱い核力の統合をさらに対称性で統合できないか?
----陽子と中性子の区別にはあまり意味がない…対称性?→非可換ゲージ対称性
----陽子と中性子の区別にはあまり意味がない…対称性?→非可換ゲージ対称性
チェンニン・ヤン、ミルズの論文「荷電スピンの保存とゲージ不変性」 1954年頃
--数式の美しさ故、全ての物質に質量がない、と言う結果が出てきた。
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第2回 神の数式
チェンニン・ヤンの 5つの対称性を持つ美しい数式の発表 (プリンストン高等研究所)
第2回 神の数式
チェンニン・ヤンの 5つの対称性を持つ美しい数式の発表 (プリンストン高等研究所)
--回転対称性
--並進対称性
--ローレンツ対称性
--ゲージ対称性
--非可換ゲージ対称性
----ヴォルフガング・パウリの質問「その力を伝える粒子の質量はどのくらいか?」
----質量はゼロになってしまう…現実とはかけ離れている!
--並進対称性
--ローレンツ対称性
--ゲージ対称性
--非可換ゲージ対称性
----ヴォルフガング・パウリの質問「その力を伝える粒子の質量はどのくらいか?」
----質量はゼロになってしまう…現実とはかけ離れている!
1957年10月 スプートニク・ショックとベータ崩壊におけるパリティ保存の検証
--コバルト60原子の原子核を並べ、そこから弱い核力によって飛び出してくる電子の観測をしたところ…
--飛び出してくる電子はすべて左巻きに自転している、と言う結果。(弱い核力を感じるのは左巻きの素粒子だけ?)
--飛び出してくる電子はすべて左巻きに自転している、と言う結果。(弱い核力を感じるのは左巻きの素粒子だけ?)
もう一つの対称性、カイラル対称性の発見
--基本素粒子(電子、ニュートリノ、クォーク)も質量ゼロとなった。→ 力を伝える粒子、基本粒子とも質量ゼロ。
--南部陽一郎の倒れる鉛筆。→ 自発的対称性の破れの発見
--南部陽一郎の倒れる鉛筆。→ 自発的対称性の破れの発見
南部陽一郎の論文 「超伝導の類推による素粒子の動的模型」 1961年頃 数式上は質量ゼロだが、現実にはクォークは質量を持つ。
--弱い核力を伝える粒子の質量は、自発的対称性の破れ を適用しても質量がゼロのままだった。
シェルドン・グラショウの論文「弱い核力の部分的な対称性」 1961年頃
シェルドン・グラショウの論文「弱い核力の部分的な対称性」 1961年頃
--弱い核力を伝える粒子は ( W+、W-) 、Z の二つに分類できるが
--質量は与えられなかった。
--質量は与えられなかった。
ヒッグスの論文「ゲージ粒子の質量と対称性の破れ」1964年 をスティーブン・ワインバーグが利用。
ワインバーグの論文「軽粒子の一つの模型」 1967年
--南部陽一郎、スティーブン・ホーキングらに上記の考え方、ヒッグス粒子は受け入れなれなかった。
1983年 CERN(スイス)にてワインバーグの予言どおり、弱い核力の粒子 W,Z が発見される。
2012年 ヒッグス粒子のシグナル発見。
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まぁ、こんな感じです。
シュレディンガー方程式が編み出されるまでは、物理学は実験結果をもとに数式を作っていたんですよね。それがディラックの登場以来、数学の美しさ、対称性を追い求めて数式がまずはじき出し、その後、その数式が予言するとおりの粒子が存在するか?運動も理論式通りか?それを検証する形になったのですね。これがポイントです。
それと無限の謎(くりこみ理論)、質量ゼロの謎(自発的対称性の破れ)。ここら辺はとても面白いです。
「神の数式」第3回、第4回のまとめは、また明日にでもしますね。
「神の数式」第3回、第4回のまとめは、また明日にでもしますね。
では今日はこの辺で。
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https://www.youtube.com/channel/UC1yLoXMJ2qAPj3_Unt60Rjg/featured
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