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時空 解 さんの日記

 
2021
3月 7
(日)
09:13
数検 準1級 1次:計算技能検定 問題3 の自分なりの解答
本文
皆さんこんにちは、時空 解です。

今日はさっそく、会員さんから頂いたコメント (2021年3月5日) にお応えしたいと想います。

コメントで頂いたのは「問題3の解き方」です。その問題3と言うのがこちら。
・数学検定 準1級 1次:計算技能検定 問題3
   数列 { $ a_n $ } の初項から第 $ n $ 項までの和を $ S_n $ とおきます。
     $ 3a_n - 2S_n = 3^n  ( n = 1,~2,~3,~…) $
   が成り立つとき、数列 { $ a_n $ } の第6項 $ a_6 $ を求めなさい。
この問題は、「公益財団法人数学検定協会」サイトに掲載されている問題です。下記の順番でそこに辿り着けると想います。
・"数学検定協会のトップページ" の「学習サポート」タグをクリック
    → "実際の検定問題を見る" の「検定過去問題」をクリック
      → "検定過去問題" の「準1級」をクリック
         → "準1級(高校3年程度)" のところの "検定問題  1次 * *" の「デジタルブックで見る / 印字用PDF」のどちらかをクリック
            → 問題用紙が開きますので、問題3のところを観て下さいね。
             ( 答は上記と同じ場所の "模範解答  1次 * *" の「デジタルブックで見る / 印字用PDF」のどちらかをクリック )

では、まずは解答を記述してみます。
 
与式 $ 3a_n - 2S_n = 3^n $ より $ n = 1 $ ならば
 $ 3a_1 - 2S_1 = 3^1 $ 
ここで $ S_1 $ は $ S_1 = a_1 $ であるから
 $ 3a_1 - 2a_1 = 3^1 $
これより、初項の値は
$ a_1 = 3 $ …(1)
と分る。

次に $ a_n $ の漸化式を求めるため差分を調べてみる。つまり $ a_{n+1} - a_n $ を行う。

$ a_{n+1} $ に付いては
$ 3a_{n+1} - 2S_{n+1} = 3^{n+1} $ …(2)

$ a_n $ は
$ 3a_n - 2S_n = 3^n $ …(3)

が成立しているのだから、$ a_{n+1} $ と $ a_n $ の差は (1),(2) の左辺に注目すると
$ \left( 3a_{n+1} - 2S_{n+1} \right) - \left( 3a_n - 2S_n \right) $
これを整理すると
$ 3(a_{n+1} - a_n) - 2(S_{n+1} - S_n) $

また (1),(2) の右辺より
$ \left( 3^{n+1} \right) - \left( 3^n \right) = 3^n(3 - 1) = 2 \cdot 3^n $

$ \therefore 3(a_{n+1} - a_n) - 2(S_{n+1} - S_n) = 2 \cdot 3^n $ …(4)

(4) から $ S_n $ と $ S_{n+1} $ の項を消去できれば、$ a_{n+1} $ と $ a_n $ の項のみの式となり、漸化式を得ることになる。

$ S_{n+1} - S_n = a_{n+1} $ であるからこれを (4) に代入すると
$ 3(a_{n+1} - a_n) - 2(a_{n+1}) = 2 \cdot 3^n $
整理すると
$ a_{n+1} = 3a_n + 2 \cdot 3^n $ …(5)
を得る。

この (5) が { $ a_n $ } の漸化式である。

これで 初項 (1) と 漸化式 (5) を使って $ a_6 $ を順次求めることが出来る。

$ a_1 = 3 $
$ a_2 = 3 \cdot a_1 + 2 \cdot 3^1 = 3 \cdot 3 + 2 \cdot 3^1 = 15 $
$ a_3 = 3 \cdot a_2 + 2 \cdot 3^2 = 3 \cdot 15 + 2 \cdot 3^2 = 63 $
$ a_4 = 3 \cdot a_3 + 2 \cdot 3^3 = 3 \cdot 63 + 2 \cdot 3^3 = 243 $
$ a_5 = 3 \cdot a_4 + 2 \cdot 3^4 = 3 \cdot 243 + 2 \cdot 3^4 = 891 $
$ a_6 = 3 \cdot a_5 + 2 \cdot 3^5 = 3 \cdot 891 + 2 \cdot 3^5 = 3159 $

よって $ a_6 = 3159 $      答:$ a_6 = 3159 $


ともかく初項と与式に $ n $ と $ n + 1 $ を入れて、差分を出すところから試行錯誤すればなんとかたどり着けました。
一昨日の私は、初項と与式から等差数列の $ d $ とか等比数列の $ r $ とかを求めようとしたので迷路に入ってしまいましたが、でも、昨日の朝になって
「差分をまずは求めれば何とかなるかなぁ…」
と、別の方向性を思い付いたんです。

それで試行錯誤しているうちに $ S $ の項が消去できることに気が付きました。

でも、答えが $ 3159 $ と分っているから試行錯誤することができたんですよね。
これは数検準1級の1次検定なんですからね。テスト時間内では到底答えに辿りつけないでしょうね。

それと、今日の朝に改めて青チャート式数学II (でした。2021-03-23 修正) を観てみると「第3章 15 漸化式と数列」の基本事項に似た雰囲気の解説が載っていますね。( ^^;

会員さんの問いかけに一生懸命に試行錯誤していなかったら、基本事項の "丸4" の内容は雰囲気でしか見て取れなかったでしょうね。
会員の方から問題3を提示して頂いたことで理解が少し進みました。

ちょっと話が逸れるかも知れませんが、そう言えば中学生だった時に数学の宿題が出て、その中に手応えのある問題があった時、
「これを解いたらクラスの人気者だな…」
なーんて妄想して、ムキになって解いていた自分を想い出しました。そして実際に解いた時の気持ちを想い出しています。

そんな状態だったので、数学が好きだったんだし、成績も良かったんだなぁと懐かしく想った今日です。

数学、楽しいですね。

では今日も休日を始めています。休日の充実こそ、人生の充実です。
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