TOP

Home  >  ブログ  >  時空 解  >  数学  >  高校生だった時にはナメていて深く理解出来なかった。例えば 数学A 例題118の問題

時空 解 さんの日記

 
2021
6月 15
(火)
17:45
高校生だった時にはナメていて深く理解出来なかった。例えば 数学A 例題118の問題
本文
皆さんこんにちは、時空 解です。(午後になってしまいました、すみません。m( _ _;)m )

数学検定を受検するちょっと前まで、青チャート式数学Aの整数の問題をやっていたのですが…。
チャート式数学に「難易度数」と言うのがありますよね。

この数日間モヤモヤとしていたのが、この難易度数が2の「教科書の例題レベル」の問題なんです。
問題と言うのは下記の 数学A 例題118 です。
基本例題118 連続する整数の積の性質の利用

(1) 連続した2つの整数の積は2の倍数である ことを証明せよ。
(2) 連続した3つの整数の積は6の倍数である ことを証明せよ。
(3) $ n $ が奇数のとき、$ n^3 - n $ は $ 24 $ の倍数であることを証明せよ。
なお、(2) では (1) の性質、(3) では (1), (2) の性質を利用してよい。

まず、初めてこの問題に出くわした時には、その解答を観て
「こんな証明で証明したことになるのか?」
と言う想いにかられました。

 …この感覚… 確か高校生の時にも味わった想いです。なんだか数学らしくない感じなんですよね。
なんだか屁理屈を解答に書いている、と言った感じです。難易度2の
「教科書の例題レベル」
なんだし…まぁこんな問題どうでもいいですよね、はい、次の問題に進もうー! …なーんて、高校生の頃なら想ったでしょう。

でもこの数日間この問題に関わっていて、だんだんと整数の問題の証明の仕方の輪郭…? とでも言いましょうかね、そんなものが見えて来ました。

うーむ…(1) は確かに、連続した2つの整数なんだから

・どちらかが偶数
に決まっています。

ですから積をとったら2の倍数です。

それに (2) の「連続した3つの整数」は、確かに3の倍数が一つ入るから、3つを掛け合わせると3の倍数です。

でもね…。

この歳になって、やっとこの手の問題をナメずに考えて明確になったことがあります。

・どうして2の倍数で、しかも3の倍数だったら6の倍数なの?
この問い、つまり設問 (2) に皆さんは明確に、自信を持って答えられたでしょうか…?

私はやっと、自信を持って答えられる文言に辿り着きました。

・$ 2 $ と $ 3 $ が互いに素で、最小公倍数が $ 6 $ だから
ですよね。

ここで大切なのが
・互いに素
と言うところでしょう。

私は高校生の時から今まで「互いに素」と言う点が明瞭に認識・自覚できていなかったのだと思います。
認識させてくれたのはもちろん…そう! 次の設問 (3) です。ここに「互いに素」と言うことの重要性が見え隠れします。
(直接教えてくれている訳ではありませんよ。その点はご了承下さいませませ)

この設問 (3) には数日間、考えさせられました。
まず考えさせられたのは問題文の中に $ 24 $ と言う数値が書かれている点です。
(3) $ n $ が奇数のとき、$ n^3 - n $ は $ 24 $ の倍数であることを証明せよ。
この $ 24 $ と言う数値がもし無かったとしたら? つまり問題文が
 
(3_o)  $ n $ が奇数のとき、$ n^3 - n $ はどんな整数の倍数になるのかを示しなさい。

と成っていたとしたら「$ 24 $ の倍数」と言うことに、果たしてどうやって辿り着いたら良いのでしょうね?
グッと難しい問題になる気がします。

また別の角度からみると、例えば設問 (1), (2) が無くて (3) のみが単独でポンと出題されたら難しい問題になりますよね。
(まぁ設問に分かれている問題はそんなもんですが)

ともかくこの 設問 (3) には時間が掛かりました。

ではここで、設問 (3) に対する私の解答記述を、まずはご紹介させて下さい。
これをみて頂ければ「互いの素」と言うのがポイントである事も感じて貰えるでしょう。

私の解答例
与式は $ n^3 - n $
    $ = (n - 1) \cdot n \cdot (n + 1) $ …(a)
と因数分解できる。

これは3つの連続する整数を表しているので (2) の結果より
$ 6 $ の倍数である。

次に与式の $ n $ が奇数である場合、
$ n = 2k + 1 $ ($ k $ は整数)
これを (a) に代入すると
$ 2k \cdot (2k + 1) \cdot (2k + 2) $
$= 4k \cdot (2k + 1) \cdot (k + 1) $
となり、$ 4 $ の倍数であることが分かる。

従って与式は $ 6 $ の倍数であり $ 4 $ の倍数であることが分かる。

答:$ 24 $ の倍数である。

… (本当は $ 24 $ と結論付けるのは早いですよね。不足です。最小公倍数の $ 12 $ と答えるべきか否か、追加証明が必要となるでしょう。
   つまり「互いに素」の意味を問われます)


ともかくオリジナルの問題文には「 $ 24 $ の倍数であることを証明せよ」と書かれているところが親切です。$ 12 $ ではなく $ 24 $ なのだと教えてくれていますからね。
ですから $ 24 $ の倍であることを証明する、と言う目標に向かって考える (式変形をする) ことができます。

私のような解答を始めに考え始めてしまうと $ 24 $ なのか、それとも最小公倍数の $ 12 $ で良いのかハマります。( ^^;

この例題118から得られる事は、
・与式を変形する前に目標値はどのくらいか当たりを付けて、与式を変形することも有効。
・設問 (1), (2) のような前段階を持って、(3) を証明できることを理解する。

整数問題は教科書の例題レベルでも難しいです。ナメてかかると解けません。

では今日も休日を始めています。休日の充実こそ、人生の充実です。
閲覧(4626)
コメントを書く
コメントを書くにはログインが必要です。
メインメニュー
ログイン
ユーザー名:

パスワード:



日記投稿者リスト
カレンダー
月表示
カテゴリー
にほんブログ村リンク