時空 解 さんの日記
2021
7月
3
(土)
10:02
本文
皆さんこんにちは、時空 解です。
この1週間、合同式の問題を毎朝ちょこちょこと解こうとして、その解答にもやもやとしていた私です。
青チャート式数学を出版している数研出版には解説動画 (有償) と言うものもあって、演習例題122の解説動画もあります。でもそれを観てもやっぱりもやもやは残っています。
ですが、
「何がもやもやとしているのか?」
それは整理出来てきました。
ですので、今日は私なりに合同式の問題をどう考えて解くのか、演習例題122を通して書いてみようと思います。
演習例題122は下記 (右画像) の通り。
さて、この問題を解く前に、合同式と言う考え方がどうして存在しているのか…? それは間違いなく問題を解く時に「便利な道具」になるからでしたね。
6月20日のブログ (合同式に出てくる "mod" の読み方、ずっと間違えていました) でご紹介したように、ヨビノリさんの動画より
・無限個ある整数を有限個に分類して扱える
と言う理由からでした。
これをまずは演習例題122に適用してみましょう。
横に無限に長く広がる数直線を、"法" を横幅1行として切断してゆきます。切断された行一つ一つを、こんどは縦方向に順に並べてゆきます。
こうしでできる横と縦の数字の行列を見てみましょう。「横幅 "法"」×「行数無限」の行列ですよね。
縦方向にならぶ整数はどんな数字かと言えば、直ぐに分かる通り
「余りが共通の整数」
ですね。
無限に横に長く広がる数直線が、縦に "法" のかずだけ
「余りが共通な整数」
のグループに分類されることが分かります。
右画像には「$ 12 $ を法とするもの」と「$ 7 $ を法とするもの」を書いてみました。
(先頭の数字は $ 0 $ が良いのか $ 1 $ で良いのか迷いましたが、とりあえず $ 1 $ で書き始めてあります)
では準備が出来たところで、さっそく演習例題122を見て行きましょう。
(1) (ア) の問題は $ 9 $ で割った余りを求める問題ですから、$ 9 $ を法とする数字列「横幅 "法"」×「行数無限」を参照しながら考えて行きましょう。
【9 を法とする数字列】を見て…
$ 1~2~3~4~5~6~7~8~9 $
最初の1行目が上記のようになっていて、1から9までの縦列に注目しましょう。
$ 1 $ の所の列に法 $ 9 $ で割ると「余りが1」となる数字列。最後の $ 9 $ の所の列は「余りが0」の数字列です。
ですから
・$ 13^{100} $ を $ 9 $ で割った余りはいくつですか?
と言う問いは、
1から9の列のうち、どの列に $ 13^{100} $ が含まれていますか?
と言う問いと同じだと分かります。
ここで青チャート式数学Aの解答を観てみましょう。
では、次の赤い文字のところはどうでしょうか?納得できますか? $ \textcolor{red}{ 4^3 \equiv 64 \equiv 1 } $(mod $ 9 $ ) の数式です。
「$ 64 $ を $ 33 $ 乗しても余りが $ 1 $」
だと言っているのです。
「1を何乗しても答えは1 ($ 1^{33} = 1 $) 」
と言っているのではありません。
あくまでも "法が $ 9 $ の「横幅 "法"」×「行数無限」" の中で $ 64 $ を $ 33 $ 乗しても余りが1になる。と言っているのです。
ここが私的にはもやもやとしているポイントなんですが…
数研出版の解説動画を観てみても、やっぱり
「1は何乗しても1ですよね」
と言い切っています。
この説明、私は
「ややこしい議論になるので説明を省くための回避説明なのだろうなぁ」
と今では考えています。
私が考える解釈は【9 を法とする数字列】の右隣に書いておきました。平面図としてイメージ出来るようにしてあります。
オレンジ色の部分と黄色の部分、それから「小さい白の正方形1つ」。この3つの部分に分けてありますが、
これが $ (9 + 1)^2 $ であり
オレンジ色の部分:$ 9 \cdot 9 =81 $
黄色の部分:$ 9 + 9 = 18 $
$ (9 + 1)^2 \equiv 1 $ (mod $ 9 $ )
と理解できると思います。($ 19,~28,~37~…$ に付いても同様です)
【7 を法とする数字列】に付いても参考に見てみて下さいね。「余りが1」の列にある数を2乗しても同様に、平面図のイメージからまた「余りが1」となります。
では $ (9 +1)^3 $ はどうでしょうか?
この場合は平面ではなくて3次元。立体をイメージする必要があります。1辺が10の立方体をイメージすると、
まず $ 9 \cdot 9 \cdot 9 = 729 $ の立方体の部分。
それと立方体の3面 $ (9 \cdot 9 \cdot 1) \cdot 3 = 243 $ 部分。
上記の3面の端の3辺 $ (9 \cdot 1 \cdot 1) \cdot 3 = 27 $ の部分。
最後に立方体の角ひとつ分の「小さい白の正方形1つ」の部分。
$ (9 + 1)^3 \equiv 1 $ (mod $ 9 $ )
です。
ところで…4乗、5乗…と、3次元よりも高い次元に付いてはどう図形をイメージすればいいのでしょうか?
こちらに付いては、実はまだ解決は出来ていません。でもとりあえず
「1を何乗しても答えは1」
と言う誤魔化しのような解説より良いだろうと私は感じています。
皆さんはどう思われますか?
まぁよくよく考えると「1を何乗しても答えは1」と言う説明と私の正方形・立方体の説明、どちらも結果は同じですけどね。( ^^;
私の解釈も最終的には「1を何乗しても答えは1」と言っているのと変わらないかも知れません。4乗以上に付いても「余りが1」だと言える証明がまだ出来てませんしね。
中途半端な説明であることは確かです。
でもこれ以上の試行錯誤はまた将来にして、今は先に進みたいと思います。
ご了承下さいね。m( _ _ )m
さて、「余りが1の列」の数を何乗しても、また「余りが1」になる事はひとまず理解出来ました。
では次は
「余りが1以外の列の累乗」
についてはどうか?ですよね。
一番分かりやいすのは「余りが0の列」の累乗でしょう。
これは簡単です、「余りが0の列」の数を何乗してもまた「余りは0」であることは直ぐに分かると思います。
では「余りが2の列」のグループに付いてはどうでしょうか?
これも「余りが1の列」について考えたのと同じように考えられます。平面図を想い出してみて下さい。余りは正方形の左下に来る「小さい白の正方形」に対応します。
・「余りが2の列」に含まれる数は2乗すると、余りが4となる数になるだろうと推測できます。
・「余りが3の列」に含まれる数を2乗すると、余りは9 (ただし "法" よりも大きい場合は、法の数を引く必要がある) だと推測できます。
上記2つに付いては既に図に書き込んで確認してあります。
・余りが2の平面図イメージ
・余りが3の平面図イメージ
図を見て貰えば一目瞭然だと思います。
ここまで来て、私はやっと、演習例題122の解答の意味が解釈でき始めた次第です。 いやぁ~…時間かかった。_| ̄|○
「合同式の性質」の式の意味も受け入れられます。
おっと!
演習例題122の解答に付いて詳しく説明出来ませんでしたね…すみません、時間が来てしまいました。今日の合同式についてのお話はこのへんで…次の機会もお楽しみに。
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では今日も1日の習慣を始めてます。小さな一歩・挑戦を試みています。
この1週間、合同式の問題を毎朝ちょこちょこと解こうとして、その解答にもやもやとしていた私です。
青チャート式数学を出版している数研出版には解説動画 (有償) と言うものもあって、演習例題122の解説動画もあります。でもそれを観てもやっぱりもやもやは残っています。
ですが、
「何がもやもやとしているのか?」
それは整理出来てきました。
ですので、今日は私なりに合同式の問題をどう考えて解くのか、演習例題122を通して書いてみようと思います。
演習例題122は下記 (右画像) の通り。
合同式を利用して、次のものを求めよ。
(1) (ア) $ 13^{100} $ を $ 9 $ で割った余り (イ) $ 2000^{2000} $ を $ 12 $ で割った余り
(2) $ 47^{2011} $ の一の位の数
さて、この問題を解く前に、合同式と言う考え方がどうして存在しているのか…? それは間違いなく問題を解く時に「便利な道具」になるからでしたね。
6月20日のブログ (合同式に出てくる "mod" の読み方、ずっと間違えていました) でご紹介したように、ヨビノリさんの動画より
・無限個ある整数を有限個に分類して扱える
と言う理由からでした。
これをまずは演習例題122に適用してみましょう。
横に無限に長く広がる数直線を、"法" を横幅1行として切断してゆきます。切断された行一つ一つを、こんどは縦方向に順に並べてゆきます。
こうしでできる横と縦の数字の行列を見てみましょう。「横幅 "法"」×「行数無限」の行列ですよね。
縦方向にならぶ整数はどんな数字かと言えば、直ぐに分かる通り
「余りが共通の整数」
ですね。
無限に横に長く広がる数直線が、縦に "法" のかずだけ
「余りが共通な整数」
のグループに分類されることが分かります。
右画像には「$ 12 $ を法とするもの」と「$ 7 $ を法とするもの」を書いてみました。
(先頭の数字は $ 0 $ が良いのか $ 1 $ で良いのか迷いましたが、とりあえず $ 1 $ で書き始めてあります)
では準備が出来たところで、さっそく演習例題122を見て行きましょう。
(1) (ア) の問題は $ 9 $ で割った余りを求める問題ですから、$ 9 $ を法とする数字列「横幅 "法"」×「行数無限」を参照しながら考えて行きましょう。
【9 を法とする数字列】を見て…
$ 1~2~3~4~5~6~7~8~9 $
最初の1行目が上記のようになっていて、1から9までの縦列に注目しましょう。
$ 1 $ の所の列に法 $ 9 $ で割ると「余りが1」となる数字列。最後の $ 9 $ の所の列は「余りが0」の数字列です。
ですから
・$ 13^{100} $ を $ 9 $ で割った余りはいくつですか?
と言う問いは、
1から9の列のうち、どの列に $ 13^{100} $ が含まれていますか?
と言う問いと同じだと分かります。
ここで青チャート式数学Aの解答を観てみましょう。
上記のように書かれていますが、始めの一文、$ 13 \equiv 4 $(mod $ 9 $ ) は分かりますよね。4の列 (余りが4) には、$ 4 $ の下に $ 13 $ が来ています。9を法として $ 13 $ と $ 4 $ は合同だということです。$ 13 \equiv 4 $(mod $ 9 $ ) であり
$ 4^2 \equiv 16 \equiv 7 $(mod $ 9 $ ), $ \textcolor{red}{ 4^3 \equiv 64 \equiv 1 } $(mod $ 9 $ )
ゆえに $ 4^{100} \equiv 4 \cdot ( \textcolor{red}{4^3} )^{33} \equiv 4 $(mod $ 9 $ )
よって $ 13^{100} \equiv 4^{100} \equiv 4 $(mod $ 9 $ )
したがって、求める余りは $ 4 $
では、次の赤い文字のところはどうでしょうか?納得できますか? $ \textcolor{red}{ 4^3 \equiv 64 \equiv 1 } $(mod $ 9 $ ) の数式です。
「$ 64 $ を $ 33 $ 乗しても余りが $ 1 $」
だと言っているのです。
「1を何乗しても答えは1 ($ 1^{33} = 1 $) 」
と言っているのではありません。
あくまでも "法が $ 9 $ の「横幅 "法"」×「行数無限」" の中で $ 64 $ を $ 33 $ 乗しても余りが1になる。と言っているのです。
ここが私的にはもやもやとしているポイントなんですが…
数研出版の解説動画を観てみても、やっぱり
「1は何乗しても1ですよね」
と言い切っています。
この説明、私は
「ややこしい議論になるので説明を省くための回避説明なのだろうなぁ」
と今では考えています。
私が考える解釈は【9 を法とする数字列】の右隣に書いておきました。平面図としてイメージ出来るようにしてあります。
オレンジ色の部分と黄色の部分、それから「小さい白の正方形1つ」。この3つの部分に分けてありますが、
これが $ (9 + 1)^2 $ であり
オレンジ色の部分:$ 9 \cdot 9 =81 $
黄色の部分:$ 9 + 9 = 18 $
$ (9 + 1)^2 \equiv 1 $ (mod $ 9 $ )
と理解できると思います。($ 19,~28,~37~…$ に付いても同様です)
【7 を法とする数字列】に付いても参考に見てみて下さいね。「余りが1」の列にある数を2乗しても同様に、平面図のイメージからまた「余りが1」となります。
では $ (9 +1)^3 $ はどうでしょうか?
この場合は平面ではなくて3次元。立体をイメージする必要があります。1辺が10の立方体をイメージすると、
まず $ 9 \cdot 9 \cdot 9 = 729 $ の立方体の部分。
それと立方体の3面 $ (9 \cdot 9 \cdot 1) \cdot 3 = 243 $ 部分。
上記の3面の端の3辺 $ (9 \cdot 1 \cdot 1) \cdot 3 = 27 $ の部分。
最後に立方体の角ひとつ分の「小さい白の正方形1つ」の部分。
$ (9 + 1)^3 \equiv 1 $ (mod $ 9 $ )
です。
ところで…4乗、5乗…と、3次元よりも高い次元に付いてはどう図形をイメージすればいいのでしょうか?
こちらに付いては、実はまだ解決は出来ていません。でもとりあえず
「1を何乗しても答えは1」
と言う誤魔化しのような解説より良いだろうと私は感じています。
皆さんはどう思われますか?
まぁよくよく考えると「1を何乗しても答えは1」と言う説明と私の正方形・立方体の説明、どちらも結果は同じですけどね。( ^^;
私の解釈も最終的には「1を何乗しても答えは1」と言っているのと変わらないかも知れません。4乗以上に付いても「余りが1」だと言える証明がまだ出来てませんしね。
中途半端な説明であることは確かです。
でもこれ以上の試行錯誤はまた将来にして、今は先に進みたいと思います。
ご了承下さいね。m( _ _ )m
さて、「余りが1の列」の数を何乗しても、また「余りが1」になる事はひとまず理解出来ました。
では次は
「余りが1以外の列の累乗」
についてはどうか?ですよね。
一番分かりやいすのは「余りが0の列」の累乗でしょう。
これは簡単です、「余りが0の列」の数を何乗してもまた「余りは0」であることは直ぐに分かると思います。
では「余りが2の列」のグループに付いてはどうでしょうか?
これも「余りが1の列」について考えたのと同じように考えられます。平面図を想い出してみて下さい。余りは正方形の左下に来る「小さい白の正方形」に対応します。
・「余りが2の列」に含まれる数は2乗すると、余りが4となる数になるだろうと推測できます。
・「余りが3の列」に含まれる数を2乗すると、余りは9 (ただし "法" よりも大きい場合は、法の数を引く必要がある) だと推測できます。
上記2つに付いては既に図に書き込んで確認してあります。
・余りが2の平面図イメージ
・余りが3の平面図イメージ
図を見て貰えば一目瞭然だと思います。
ここまで来て、私はやっと、演習例題122の解答の意味が解釈でき始めた次第です。 いやぁ~…時間かかった。_| ̄|○
「合同式の性質」の式の意味も受け入れられます。
おっと!
演習例題122の解答に付いて詳しく説明出来ませんでしたね…すみません、時間が来てしまいました。今日の合同式についてのお話はこのへんで…次の機会もお楽しみに。
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