時空 解 さんの日記
今日は会社がお休みなので、じっくりとこの節を読んでみたいと思います。
では始めます。
第1巻 第4章 エネルギーの保存 4-2 重力の位置のエネルギー
・カルノーが蒸気機関の効率を論じたとき、実にエレガントな方法を使った。それにならって重力による位置のエネルギーを表す式を考えよう
・(一つの物体の重力による位置エネルギー) = (重さ) × (高さ) と言う結果はさほど重要ではない。むしろ、理論的の考察によってその結果に到達することができるという点が重要である
・重量あげの器械 (一方のおもりを下におし下げると他のおもりが上にもち上がるというはたらきをする器械) を考え、仮説をおく:このような器械では永久運動というようなものはない。永久運動というものは全然存在しないというのが、実はエネルギー保存の法則の一般的記述なのである
・理想的の器械というものは現実には存在しないが、もしありとすればちょっとの余分というものを必要としないものである。我々が実際に使う器械はほとんど可逆的にはたらかせることができるとする
おもり一つをある距離だけおし下げることによって、おもり三つをもち上げることができるならば、逆におもり三つをおし下げることによって、おもり一つを前に下げたのと同じ距離だけもち上げることができるのである。(これを可逆的という)
・器械というものに2種類あると考える
第1の種類というのは、可逆的でないものであって、現実の器械はすべてこれに含まれる
第2の種類というのは可逆的なものである。可逆的の器械は実現不可能であるのはもちろんのことである・可逆的な器械Aがあると仮定する。また可逆的的でないかもしれない器械Bがあるとする
器械Aは、おもり一つ分を単位の距離だけおし下げると、おもり三つ分が距離Xだけもち上がるとする
器械Bは、おもり一つ分を単位の距離だけおし下げると、おもり三つ分が距離Yだけもち上がるとする
YはXよりも高くはならないということを証明することができるのである・可逆的な器械がもち上げるよりも、もっと高くにおもりをもち上げることのできる器械をつくることは不可能だというのである。その理由を考えよう
かりにYがXよりも大きかったとしてみよう
そうすると、まず器械Bで「おもり一つ」を単位の距離だけおし下げると、三つのおもりが距離Yだけもち上がる
YはXよりも大きいのだから、YからXを引いても、まだ余っている
この余りの意味はなにかと言うと、この動力を使って他で何か仕事をしても、Xが残る
Xを器械Aで使うと「おもり一つ」を単位の距離だけもち上げることができる
つまり、器械Bと器械Aを交互に使うことで、YからXを引いた余りの動力が永久に得られることになる
これは永久運動というものは全然存在しない、と言うことに反する
(続きはまた明日にでも)
さて、今日はここまでにしておきましょう。
本書の中で、カルノーが蒸気機関の効率を論じたとき、その方法を知って、ファインマンさんは
「実にエレガントな方法を使った」
と書いているのですが、その "エレガント" な部分は、今日のところで整理できていると思います。
すなわち
「YはXよりも大きい」と仮定すると器械Aと器械Bとで「永久運動」が実現してしまうので、この仮定が間違っている
と言った論法です。
これは「数学的帰納法」を連想する考え方です。
まだ自分が若かったころ、ちょうど二十才の頃ですかね、ここのところを読んでいるはずなんです。ラインマーカーが引いてありますからね。
…でも内容を正しく理解できてなかったですね。
数学的帰納法を物理学に応用して、蒸気機関の効率の洞察をしているのです…物理学を学ぶ者として記憶に残しておきたいと思います。
では今日も休日を始めています。休日の充実こそ、人生の充実です。
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