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時空 解 さんの日記

 
2021
9月 9
(木)
09:44
青チャート式数学Aの「基本例題129」の私なりの解答・解説
本文
皆さんこんにちは、時空 解です。

昨日の朝はブログの投稿が出来なくてすみませんでした。m( _ _ )m (どうやら右の親指に痛風が出来たみたいで、痛い… ううっ)

今日はやっと、青チャート式数学Aの「基本例題129」の整理が付きましたので、さっそく書いて行きたいと思います。

問題は下記のとおり。(チャート式数学の解答も右画像参照)
「基本例題 129」
$ 3 $ で割ると $ 2 $ 余り、$ 5 $ で割ると $ 3 $ 余り、$ 7 $ で割ると $ 4 $ 余るような自然数 $ n $ で最小のものを求めよ。

この問題は、以前にも投稿しましたが (青チャート式数学Aの「基本例題129」でハマったところ) 下記の3つほどがポイントになるでしょう。悩んだ点でもありました。

1, 自然数 $ n $ を数式で表す
2, 不定方程式 $ 3x - 5y = 1 $ から $ 3(x -2) - 5(y -1) = 0 $ と言う式変形の考え方、意味
3, 不定方程式 $ 7z - 15k = 4 $ の整数解の一つを $ z = -8,~k = -4 $ ではなくて  $ z = 7,~k = 3 $ を使うと、$ l = 1 $ としても $ n $ が最小値にならない

この3点を押さえながら、これから問題を解いて行きたいと思います。

では、さっそく… うーむ02   と、行きたいところですが…。

ちょっと待って下さいね。にっ

より解法を理解するため上記の3つのポイントを押さえながら、まずは "類似した問題" を解いてみましょう。

類似問題の例として、下記の問題を使います。
 
「類似問題:L.C.M. 問題」
$ 3 $ でも $ 5 $ でも $ 7 $ でも割り切れる自然数 $ n $ で最小のものを求めよ。

この問題は中学1年生レベルの問題だと思います。問題と言うよりは、最小公倍数 (L.C.M.) と言うことを知っているか否か、を試す問いに近いですよね。

$ 3 $ も $ 5 $ も $ 7 $ も素数で、互いに素、ですから

$ 3 \cdot 5 \cdot 7 \cdot = 105 $   答:$ n = 105 $

これが答なのですが、先の3つのポイントを押さえながら解いて行くとどうなるか、一緒に考えてみましょう。
 
まずは求める最小の自然数 $ n $ について3つの方程式を立てます。

$ n = 3x $  …(1)
$ n = 5y $  …(2)
$ n = 7z $  …(3)

(1) と (2) より、不定方程式を作ります。
$ 3x = 5y $ …(a)

上式 (a) が成り立つ整数解の組を考えてみましょう。

$ (x,~y) = (5,~3)、(10,~6)、(15,~9)、(20,~12)、(25,~15)、(30,~18) $ …

整数解の組は複数あることがわかります。(下図 数直線の黒楕円で囲ったところ)


(1) の数式に対応する数直線は3本中の一番下。オレンジ色の点が3の倍数のを示す。
(2) の数式は真ん中の線で、ブルー色の点が5の倍数を示す。
(3) の数式は一番上の線で、グリーン色の点が7の倍数を示す。

整数解の組は、言うまでもなく「オレンジ色の点」と「ブルー色の点」が縦に並ぶところです。
これは $ 3 $ と $ 5 $ が互いに素であるからに他なりません。

$ k $ を持ち出して整理すると、
(a) $ 3x = 5y $ は、$ 3 $ と $ 5 $ が互いに素なので、
$ x = 5k $  ($ k $ は整数)
と表すことができる。

また、数式 (1) と (3) より
$ 3x = 7z $ であるから
$ 3 \cdot 5k = 7z $
$ 15k = 7z $     …この式の意味が大切です。
           $ 0 $ から $ 105 $ の間に "楕円" で区切られている区間の数が7つ。
           7倍を示す "グリーグリーン色の点" で区切られている区間の数は15なんです。(2021-11-26 修正)

次に、上式に対して $ l $ を持ち出して整理すると、
$ 15 $ と $ 7 $ が互いに素なので、
$ z = 15l $  ($ l $ は整数)
と表すことができる。

こんどは 数式 (3) $ n = 7z $ に $ z = 15l $ を代入して
$ n = 7 \cdot 15l $
$ \therefore n = 105l $
問題は $ n $ が自然数で最小のものを求めているので $ l = 1 $ が妥当である。

答:$ n = 105 $


さて上記の解答を読んで頂いた感想は、如何なものでしょうか? うーむ
私の感想は、また後にするとして…

ここから本題に入りましょう。
「基本例題129」を同じように解いて行きましょう。考え方としては「類似問題:LCM 問題」の解法に比べ "余り" が入ってくることです。
 
まずは求める最小の自然数 $ n $ について3つの方程式を立てます。

$ n = 3x + 2 $  …(1)'
$ n = 5y + 3 $  …(2)'
$ n = 7z + 4 $  …(3)'

(1)' と (2)' より不定方程式を作ります。
$ 3x + 2 = 5y + 3 $  これを整理して
$ 3x - 5y = 1 $  …(a)'

ここで得られる数式 (a)' が不定方程式なのですが、下図を参照してみてください。


(a)' の右辺 " $ 1 $ " は、どうやら上図の "赤楕円" の部分を表していると解釈できます。
「類似問題:LCM 問題」の数直線と見比べてみると、本題の「基本例題129」の数直線は、"余り" の数だけ右 (+方向) にずらしたものとして描けますよね。

(1)' の数式に対応する数直線は3本中の一番下。数直線の始まりが $ 2 $ 。オレンジ色の点が $ 3x + 2 $ を示す。
(2)' の数式は真ん中の線で、数直線の始まりが $ 3 $ 。ブルー色の点が $ 5y + 3 $ を示す。
(3)' の数式は一番上の線で、数直線の始まりが $ 4 $ 。グリーン色の点が $ 7x + 4 $ を示す。

こうして描くと、(a)' の不定方程式の整数解が、数直線上でどこなのかイメージできると思います。「類似問題:LCM 問題」のときと同じく、「オレンジ色の点」と「ブルー色の点」が縦にそろうところです。

黒楕円で示したところですよね。こんにちは

数直線の始まりから黒楕円のところまで、それぞれの点で区切られた区間はいくつあるでしょうか?
オレンジの点で区切られた区間の数は $ 2 $ から最初の黒楕円のところまでなら2つ。次の黒楕円までなら7つ。その次までなら12…
ブルーの点で区切られた区間の数は $ 3 $ から最初の黒楕円のところまでなら1つ。次の黒楕円までなら4つ。その次なら7…

これより (a)' の不定方程式の整数解は

$ (x,~y) = (2,~1)、(7,~4)、(12,~7) $ …

と予想が付くでしょう。そしてこれは正しい整数解の組です。

(a)' に小さい整数解の組 $ (x,~y) = (2,~1) $ を適用して、
$ 3(x-2) -5(y-1) = 0 $ つまり
$ 3(x-2) = 5(y-1) $
を得ます。

ここで $ k $ を持ち出して整理すると…
$ 3(x-2) = 5(y-1) $ は、$ 3 $ と $ 5 $ が互いに素なので、
$ (x-2) = 5k $
$ x = 5k + 2 $  ($ k $ は整数)
と表すことができる。

また、数式 (1)' と (3)' より
$ 3x + 2 = 7z + 4 $ であるから
$ 3 \cdot (5k + 2) + 2 = 7z + 4 $
整理すると
$ 15k -7z = -4 $  …(b)' 


この (b)' が2つ目の不定方程式となります。
$ -4 $ の意味は、先ほどの (a)' の不定方程式のときと同様、上図の "手書きの赤楕円部分" と解釈できます。黒楕円と $ 7z + 4 $ の数直線の先頭との差、ですよね。

(b)' も (a)' と同様のやり方で整数解の一つを求めることができます。
(b)' の整数解の一つ一つは、グリーンの点と黒楕円が縦にならぶところです。"緑楕円" で示しておきました。ここが (b)' の整数解の一つです。

数直線の先頭の "手書きの赤楕円部分" から "緑楕円" のあいだにある、黒楕円で区切られた区間の数は $ 3 $。
数直線の先頭の "手書きの赤楕円部分" から "緑楕円" のあいだにある、グリーンの点で区切られた区間の数は $ 7 $。

このことより
$ (k,~z) = (3,~7) $ を得ます。(b)' にこれを適用して、
$ 15(k-3) - 7(z-7) = 0 $
$ 15(k-3) = 7(z-7) $

ここで $ l $ を持ち出して整理すると…
$15 $ と $ 7 $ は互いに素なので
$ z-7 = 15l $
$ z = 15l + 7 $  ($ l $ は整数)
と表すことができる。

数式 (3)' $ n = 7z + 4 $ に $ z $ を代入して
$ n = 7 \cdot (15l + 7) + 4 $
$ \therefore n = 105l + 53 $
問題は $ n $ が自然数で最小のものを求めているので $ l = 0 $ が妥当である。

答:$ n = 53 $


こうして「基本例題129」を解答しなから「類似問題:LCM 問題」を想うと、
「中学の時には "省略した形での解答" しか学んでいなかったのだなぁ…」
と言う感想を持った次第です。と言うのも

「$ 3 $ も $ 5 $ も $ 7 $ も素数で、互いに素だから、3つの最小公倍数が答」
と言う考えのもとに下記の数式

$ 3 \cdot 5 \cdot 7 \cdot = 105 $

これをもって、答えとしてたんですからね。

高校生レベルで「類似問題:LCM 問題」に、記述式で答えるなら (1), (2), (3), (a) の、4つの数式を記述するべきだろうと思う次第です。

でもね…。

5つの数式をちゃんと記述したところで、未だに
「 $ l = 1 $ または $ l = 0 $ 問題」
を解消する記述ができている訳ではありません。「妥当である」の文言で逃げてます… ( ^^;

高校レベル (1次不等式の応用) の範囲でできる記述はここまで! と、想うしかないかなぁと解釈している次第です…。

ともかく、基本例題129を分かり易く説明しようと想ったのですが…これが大変でした。

整数論の数学の書籍はどうにも
「分から難い。説明が不足している」
と言う印象を持つものばかりなのですが、自ら説明を試みることで、その大変さを理解しました。

では今日も1日の習慣を始めてます。小さな一歩・挑戦を試みています。

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