TOP

Home  >  ブログ  >  時空 解  >  物理  >  ファインマン物理学 第1巻 第7章 万有引力の理論 7-4 ニュートンの引力の法則 (整理完了)

時空 解 さんの日記

 
2021
12月 9
(木)
08:42
ファインマン物理学 第1巻 第7章 万有引力の理論 7-4 ニュートンの引力の法則 (整理完了)
本文
皆さんこんにちは、時空 解です。

今日は "7-4 ニュートンの引力の法則" の整理が途中でしたので、その続きを再開します。
あまりにも有名で、もう当たり前の引力の法則ですが、ファインマン物理学書はここをどのように解説するのか?この点が面白いところです。

"月が地球に向かって落ちる" と考えて
「では、地球上で物が落ちるのも月の落ち方も同じ何か?」
と考えを進め検証して行く辺りが、既成概念に囚われずに理論を展開できるお手本のようですね。

 

第7章 万有引力の理論 7-4 ニュートンの引力の法則

・ニュートンは、惑星が同じ時間の間に同じ面積をおおうというそのことこそ、直線方向からのはずれが半径方向であるということのあらわれであって、- 面積の法則は、すべての力がまさに太陽の方にむかっているという考えから直接出てくることを証明した。
・ケプラーの第3法則をよくしらべると、惑星が遠ければ遠いほど力が弱いいうことがでてくる。(中略) 距離の自乗に逆比例することがわかる。

上の二つの法則を組み合わせて、ニュートンは、距離の自乗に反比例した力が二つの物体を結ぶ直線にそってはたらいているに相違ないという結論に達したのである。

・次の問題は、地球がその上にいる人間を引く力も、地球が月を引く力と "同じ" ように、距離の自乗に反比例するものであるかどうかということであった。

月は、力がはたらいていなかったとした場合にあるべき場所から、実は落ちているのである。月の軌道の半径 (およそ240,000マイル) と、地球のまわりを1回まわるのにようする時間 (およそ 29日) とはわかっているから、月が1秒間に軌道の上を動く距離は、それから求められる。また1秒間に月がどのくらい落ちるかを計算することもできる。この距離を求めると、1秒間に $ \displaystyle \frac{ 1 }{ 20 } $ インチとなる。ところで地球の半径は 4000 マイルであって、地球の中心から 4000 マイルのところ、すなわち地表では物体は1秒間に 16 フィート落ちる。したがって月のある 240,000マイルのところ、すなわち地球の半径の 60倍もの遠いところては 16フィートの $ \displaystyle \frac{ 1 }{ 3600 } $ だけしか落ちないわけで、16フィートの $ \displaystyle \frac{ 1 }{ 3600 } $ はまさに1インチの $ \displaystyle \frac{ 1 }{ 20 } $ である。

・このように逆自乗の法則に実によくあうのである。

・月が "落ちてくる" といっても、月が我々に近よってくるわけではないのだから、この考えはいささか分かりにくい。しかしこれはいい考え方であるから、もう少し説明を加えておこう。

月が落ちるという意味は、もしも力がなかったらそれにそって進むであろう直線からはずれ落ちるということなのである。
地球の表面近くで物体を放すと、最初の1秒間には16フィート落ちる。水平に打ち出されたものも、16フィート落ちる。水平方向にも動いているのだけれども、最初の1秒間に落ちる距離はやはり16フィートである。図 7-3 はこのことを示す仕掛けである。途が水平になっているところにタマがあって、その先からまさに飛び出そうとしているところである。それと同じ高さのところに別のタマがあって、これはま下に落ちる。そして、スイッチがあって、第1のタマがその途を離れる瞬間に、第2のタマが落ちはじめるようになっている。この二つのタマは空中で衝突する。このことは、同じ時刻には二つのタマが同じ高さにいるということの証拠になる。

小銃弾などを水平にねらいをつけて打ち出したとすると、それは1秒間に遠くへ - 2000フィートくらい - 飛んでいくが、それでもやはり16フィートは落ちる。それでは小銃弾の速さをだんだん大きくしていったらどういうことになるか? ここで、地球の表面に曲率があることを忘れてはならない。弾の速さが充分大きいと、16フィート落ちても、地面からの高さが前とちょうど同じだということがありうるわけである。それはどういうときか?弾は落ちる、けれども地球は曲がって遠ざかるので、弾は地球の "まわり" に落ちるのである。だから、問題は、地球が水平から16フィート下にあるようにするためには、弾は1秒間にどこまでいっていなければならないか、ということになる。図 7-4 に示したとおり、地球の半径は4000マイルであって、接線はもしも力がなかったとしたら弾が進むであろう途を示している。ここで次のような平面幾何のきれいな定理を使う。それは、この接線に平行な弦をひいて、直径を2分すると、接線の長さは、この二つの部分の長さの比例中項に等しい、という定理である。この定理を使うと、弾の進む水平距離は、落下距離16フィートと、地球の直径8000マイルとの比例中項であることになる。$ \displaystyle \frac{ 16 }{ 5280 } × 8000 $ の平方根は、ほとんど5マイルである。だから、弾の速さが1秒に5マイルであるならば、毎秒16フィートという一定の割合で地面に向かって落ちつづける。しかし地面もそれだけ曲がって退くので、弾は決して地面に近付くことはない。
(前回の整理はここまで)

・ニュートンはケプラーの第2法則と第3法則を使って、引力の法則を導き出したのである。それによってニュートンは何を予言したのか。

第1に、引力の法則によって、地球上の物体の落下と月の落下とが関係づけられた。
第2の問題は、その起動の形は楕円であるかということである。後の章で、この運動をきちんと解明する方法を述べるが、軌道は楕円でなければならないということがニュートンの法則から出てくる。だからケプラーの第1法則を説明するには、これ以上、何の事実もいらない。

・このようにニュートンは、有力な最初の予言をしたのである。

・実は、地球も、月と同じような具合に、円に沿って運動しているのである。

その円の中心の位置は、地球の内部ではあるが、地球の中心とは一致していない。月が地球の周りをまわるのではなく、地球と月との両方が、図 7-5 に示すように、一つの点の周りをまわっているのであって、地球も月もこの共通点にむかって落ちているのである。



やっとこの節が整理できました。ここは本当に力学を学ぶ時によくでてくる内容ですよね。でも、いま読んでもやっぱりニュートンの知性がいかに優れていたのかを感じずにはいられません。

理数系における歴代の天才と言えば、やっぱりニュートンとアインシュタインのお2人ですかね。( ^^;

では今日も1日の習慣を始めてます。小さな一歩・挑戦を試みています。

【今日の記事を評価して頂けましたら、下記をクリックしてね。Amazon サイトで関連書籍・商品が見れます (アフィリエイトにご協力をお願いします) 】
   ♪ - クリックのみでも充分に嬉しいです - ♪
       ------------------------------    
閲覧(3655)
コメントを書く
コメントを書くにはログインが必要です。
メインメニュー
ログイン
ユーザー名:

パスワード:



日記投稿者リスト
カレンダー
月表示
カテゴリー
にほんブログ村リンク