時空 解 さんの日記
今日は数学から離れて、ファインマン物理学の整理をしようと思います。
今日は表題のとおり「8-1 運動の記述」と言う節です。
ここの内容はとても大事なことを言っていると思います。と言うのも、微分学が世に出てくるための準備のようなことが書かれているからです。
スピードとは何か?
これを突き詰めて考えた場合の、1つのアイディアだったんでね。具体的なアイディアは次の節「8-2 スピード」のところで出て来ます。
今日は「8-1 運動の記述」の整理ですが、続きの「8-2 スピード」もお楽しみにしていてください。
第8章 運動 8-1 運動の記述
・時間がたつにつれて、物体というものには、いろいろの変化が生ずるが、これを支配する法則を見出すためには、まずそれらの変化を記述し、それを記録する方法がなければならぬ。物体に生ずる変化のなかで、いちばん観測しやすいのは、その位置が時間によってどう変わるかということ、すなわち運動といわれるものである。
・変化を記述するというのには微妙なところがいくつも入ってくるのである。
雲の流れの速さだとか、女の心の変化だとかいうようなものを記述するのは、個体の点の運動を記述するのよりもむずかしい。
・点というものは原子だとする方がいいのかも知れないが、はじめはもっと荒っぽいところからはじめて何か小さい物体 - 動いた距離にくらべて小さい - を考える方がよさそうである。
例えば、自動車が $ 100 $ マイルの距離を走るとき、車の前部と尾部とを区別する必要はない。荒っぽい目的に対してはただ "車" といっておけばよかろう。同じように、我々が点といっているものが、ほんとの点でなくてもかまわない。現在の目的にとっては、極端に精密に考える必要はない。
・自動車の運動をどうすれば記述することができるか?
出発点からの距離を測って、その観測をすべて記録する。
車の運動は複雑である。(止まったり、時には加速したりして同じ時間内に同じ距離を動くとは限らない)・より簡単に運動するものを考えよう:それは落体の運動である。
時間と位置の関係は (グラフにすると) きれいな放物線になる。放物線の式は $ s = 16t^2 $ である。
・自動車のグラフの式があるはずたと、諸君はいうだろう。たしかに、そのような式は抽象的に $ s = f(t) $ と書くことができる。
・上に、運動の例を二つ述べた。両方とも非常に簡単に考えでうまく記述でき、べつだん新奥なところはないようにみえる。しかし実は新奥なところが、いくつかあるのである。第一に、時間とか空間とかは何を意味するのか?しかしどんなことでもきちんと定義するということはできないのである。きちんと定義しようとすると、話が窮屈になってしまう。
・建設的に話を進めるためには、我々はだいたい同じ一つのことについて話しているということで意見が一致していなければならない。しかしまだ考えなければならぬ微妙なところがあることは忘れてはならない。
微妙なところの一つは、前にもちょっとふれたが、我々がいまその運動を問題としている点というものは、いつもどこかにあると考えられるとしなければならないということである。原子の運動では、この考えも、成り立たない - 原子には目印もなければ、それが動くのを見張っていることもできない。この微妙なところは、量子力学で処理しなければならない。しかし、いま我々は、そのような複雑なことにふれる前に、問題はどんなことであるかということを考えようというのであって、こうすれば、最近の考えに従って修正を加えるのもやりやすいというものである。そこで、ここでは時間と空間について単純な見方を採用することことにしよう。時間とか空間というものが何であるかは、我々はだいたいわかっている。自動車を運転した人ならスピードとは何であるかがわかっているのである。
この節を読んで思ったことは、実に切実なことです。
若い頃は「時間と空間」について考えていて、そこで立ち止まっていたことを実感する次第です。
まずは「だいたい分かっている」と言うことで学習を進めなくてはならないのですね。
では今日も1日の習慣を始めてます。小さな一歩・挑戦を試みています。
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