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時空 解 さんの日記

 
2016
10月 17
(月)
23:30
「20歳の自分に受けさせたい文章講義」の感想。
本文
みなさん、こんばんは。時空 解です。
昨日は読書会の予定だったのですが、司会者さん(主催者でもあります)の体調が悪くて(扁桃腺が腫れてしまって声が出ない)中止となりました。うーむ、せっかく課題本を夜遅くまで掛けて読んだのに、残念です。
中止の連絡は当日の朝にラインで来ました。きっとギリギリまで読書会を実施するつもりでいたのでしょう。司会者さん、無理はせずにお体をお大事にして下さいね。
さて、せっかく課題本「20歳の自分に受けさせたい文章講義」を読んだので感想を書いておきたいとおもいます。アマゾンレビューにも投稿しようと思います。
以下、感想です。
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「20歳の自分に受けさせたい文章講義」を読んで。
この書籍を読んで真っ先に思い出すのが、「読書力」と言う書籍です。「20歳の自分に受けさせたい文章講義」は "書く" と言う事に関する書籍ですので、当然 "読む" と言う内容の「読書力」を比較対象として思い起こしました。
比較して想う事ですが、「20歳の自分に受けさせたい文章講義」は以下の2点について「読書力」と違っています。
 
① 人が子供から大人へと成長する事に合わせた文章講義ではない。("20歳の自分に向けての講義"だから当たり前ですが…)
② 人が "文章を書く" と言う事はどういう事なのか?と言う事に焦点が当たっていない。
 
「読書力」には、本を読むという事はどういう事なのか? それが明記されています。「本を読む読まないは自由か?」と言う問いから入り「読まなければならない」と言い切って、その理由を述べて行きます。そして「精神的苦痛を伴うもの」である事を受け入れ、スポーツのように訓練をする必要があるのだと説きます。そして訓練法を示してゆきます。
この一貫性に対比してみると、「20歳の自分に受けさせたい文章講義」には骨格が感じられません。もちろん、文章を書く時に大切な目標値等、はキチン説明してあります。しかし「自分の気持ち、考えを人に伝えたい!文章として残したい!」と言う熱い想いに応える文章講義ではないと思いました。受け身として書かされる文章、外的必要に迫られて書かされる文章、そんな文章を書くためのテクニック講義になっているように思います。
この点がとても残念でした。逆を述べるならば、書かされる文章を上手く仕上げる方法論、としては良く出来ている気もします。
頭の中のグルグルをどう "翻訳" するか?と言う切り口は面白いと思いました。しかし、続く "文章はリズムが大切" と説明して行くところで、"リズム" と "文の論理展開" を結び付けて説明していますが、これは "リズム" と言う単語の許容範囲を拡張しすぎている感もあります。文の論理展開のチェック方法として、接続詞に注目する事が述べられますが、論理展開をその程度で済ませるために "リズム" と結び付けた感を否めません。文の論理展開を考えるうえで、人の成長段階における文章訓練、と言う切り口を持って来て欲しいところです。
また、文章として "大うそ" は読み手に受け入れられるが、細部はダメで、正しさが大切である事を説明していますが、これは当たり前です。この部分に "人が自分の気持ち、自分の考えをどうしても他人に伝えたい、知ってもらいたい" と言う熱い想いを、どう文章化したら良いのか?その方法論を展開してほしかったです。カフカの「変身」を思い浮かべてもらうと分かり易いと思いますが、カフカがウルトラマンやマジンガーZを観て、「この方法だ!」とひらめき、主人公のグレゴール・ザムザを人間大の虫にする「変身」を執筆した訳ではありません。カフカが平和な日本に生まれ、心の苦痛を経験する事なく成長していたのならば、「変身」と言う作品は生まれていないでしょう。カフカのつらい過去、人から受けたつらい仕打ち、これこそが細部であり、作品の本質です。実体験を通して "人から人間ではなく、虫として扱われる" と言う大うそ表現が生み出された事は明白でしょう。細部ありき、です。大切に決まっています。
著者は「書く」事を職業とされているので、ウルトラマンありきから文章を書く事が多いのではないでしょうか?「伝えたい想い」は細部ありきから始まるものです。個人としてはそんな文章講義が知りたかったですね。
以上、上記2点の理由より、「20歳の自分に受けさせたい文章講義」よりは「読書力」の方が私は好きです。
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こんな感想を持ちました。まぁ「読書力」と言う書籍の方が私の好み、と言う事ですね。( ^^;
千里の道も一歩から。
では今日はこの辺で。

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