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時空 解 さんの日記

 
2024
1月 31
(水)
09:49
スペクトルタームから電子スピンへの着想へ。とても面白い
本文
皆さん こんにちは、時空 解です。

今日は数学の学習を始める前に、ちょっと
・新版 スピンはめぐる 朝永振一郎 著
を開いてしまって、つい

第2話:電子スピンとトーマス因子

を読み切ってしまいました。すぐに内容がわからなくて読めなくなると思ったんですけどね。
でも、書籍に載っている数式は理解できなくても、当時の著名な物理学者たちがどのような苦労をしてスピンと言う考え方を検証し受け入れて行ったのかが分かります。

2話は、スペクトルタームの多重構造の話から始まります。ランデの "代用モデル" 考え方が紹介されます。その紹介の中にゾンマーフェルトとかパウリとかがどのように関わって来るのか、書籍では読者に語り口調で、その知の格闘を語り掛けてきます。

いやぁ面白いですよ。

ランデ流の考えから数式 $ (2-6^{''})_L $ を立てると、スペクトルターム内準位間隔が実験値結果数式 $ (2-3) $ と三つの項目で違いがあることが述べられます。(数式は省略します。また、書籍で使われている記号をそのまま使って、下記の書き出します)

(i)   $ (2-3) $ の $ (Z-s)^4 $ のところが $ (2-6^{''})_L $ では $ (Z-s)^3 $ になっており、
(ii)  $ (2-3) $ の 右辺の頭で符号 + のところが $ (2-6^{''})_L $ では - になっており、
(iii) $ (2-3) $ の 右辺の頭の因子 2 のところが $ (2-6^{''})_L $ では $ 2g_0 $ すなわち 4 になっている。

この三つの問題を解くカギが
「電子は回転 (スピン) しているとする」
と言うことです。

この三つの問題。特に (iii) の問題を解くのが大変だったと言うのがわかります。
なにせ、電子の運動の座標を原子シェルにとる場合と、電子そのものにとる場合を考えて、角運動量とか回転運動速度などを計算するわけですからね。

おっと、すみません。もう時間切れです…。( ^^;

今日は数学の学習もそっちのけで書籍を読んでしまいました、"朝永振一郎 先生、万歳!" と言う気分ですけどね。
最後に、電子スピンの着想を持っていたクローニッヒが、(iii) の矛盾やスピンの回転速度は表面速度が光速の 10 倍にもなる計算だと言う理由から、自身の着想に否定的だったと言うことをお伝えしておきます。パウリも同様です。

クローニッヒはスピンの論文を公開したウーレンベック、カウシュミットに対してこんな批判レターを送っているそうな…
 
The new hypothesis, therefore, appears rather to effect the removal of the family ghost from the basement to the subbasement, instead of expelling it definitely from the house.

(日本語訳、Google翻訳にて)
したがって、新しい仮説は、家族の幽霊を家から確実に追い出すのではなく、むしろ、家族の幽霊を地下室から地下室へ除去することに影響を与えると思われる。

いやはや、電子スピンの考え方が芽生えたころの物理学者さんたちの苦労が伝わってきます。

では今日も1日の習慣を始めてます。小さな一歩・挑戦を試みています。
☆ "夜にもブログ NOW" (2023年 11月20日 ~ 12月25日) 終了しました。
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