時空 解 さんの日記
みなさん、こんにちは。
7月16日に数字の体系に付いてちょっと触れましたが、今日は自然数に付いて少し掘り下げてみました。
まずは Wikipedia に載っている自然数の説明に、ゼロ(0)の扱いに対する興味深い記述があります。
0 を自然数に含めるかどうかが問題になるときは、その旨を明記する必要がある。
と言う記述です。
学生時代には、ゼロ(0)は自然数には含まない、と教えられたものです。確かテストの問題にも「ゼロは自然数に含まれるか?」と言った問いが出されていた記憶があります。しかし数学会ではその旨、明記しているのですね。
歴史的な進化の過程を辿るならば、数字は昔、ゼロと言う記号を含んではいなかったと、Wikipedia に書かれています。「零の発見:吉田 洋一著、岩波新書」と言う書籍にもそう言えば書かれていた事を思い出します。
ゼロに関する Wikipedia の記述
1世紀頃、無名のインド人によって、初めて 0 を使った完全な位取り記数法が発明された。彼はソロバンとよく似たビーズ玉計算機で計算していたとき、数のない桁を 0 で書いて、ビーズ玉計算機上の各桁の数をそのまま並べて書き表すと、計算結果を素早く書き残せることに気づいた。この 0 は、インド人の言葉で空(から)の意味を表す「スーニャ」と呼ばれた。こうしてできた記数法は、数の記録と計算に一大革命をもたらす大発明となった。しかし、ここでの 0 は数としての 0 ではなく、空の桁を表す目印に過ぎないものであった。
さらに Wikipedia に書かれている内容を読み進めると、自然数の1の記号がどのように特別な物であるのかも説明されています。学生時代に数字の1は単位元と言う名前で特別扱いされていた事を覚えていますが、その理由は、1は数ではなく単位だからなのですね。
1に関する Wikipedia の記述
古代ギリシアの数学者エウクレイデスが編纂した『原論』の第7巻の冒頭で数の定義がなされている。
1.単位とは存在するもののおのおのがそれによって 1 とよばれるものである。
2.数とは単位から成る多である。
これは定規とコンパスによる作図で数を定義したものと解釈できる。すなわち、任意に与えた線分の長さを単位として 1 を定義する。そして、その線分を延長した直線上で単位を半径とする長さをコンパスで測り、その直線上でその単位を半径とする円との交点を作図し、その円の直径を 2 と定義する。同様にその直線上で円の直径に半径を繋いだ線分を作図し、その線分の長さを 3 と定義する。したがって、1 は数ではなく単位であり、2, 3, 4, …が数になるため、古代ギリシア人は 1 を数として認識しなかったと言える。
いかにも数学の香りがする、数の定義です。
ところでエウクレイデスって誰だ?と思った方も多いと思いますが、エウクレイデスは英語で発音するならばユークリッドなのだそうです。ユークリッドならみなさんご存知ですね。幾何学のイメージが強いですが、数字に関しても業績を残しているのですね。「原論」と言う書籍の日本語版を学生の時に本屋で見かけた事がありましたが、内容的にも値段的にも、とても手が出せないような書籍だった記憶があります。全部で十二冊もある書籍だった記憶があります。(今ではその書籍はネット検索しても見つかりませんでした)
自然数に付いて触れてみましたが、ゼロと1が改めて特別なものである事が分かります。ゼロに関しては私自身、若い頃から関心を持っていて自分なりの考えもありますので、またブログで取り上げる機会があると思います。
では、今日はこの辺で。
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