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時空 解 さんの日記

カテゴリー [物理] 
 
2016
5月 7
(土)
00:18
超弦理論までの道すじ その2/2 神の数式より
本文
みなさん、こんにちは。
今日は昨日の続きです。2013年頃に放送されたNHKスペシャルで「神の数式」と言うのがありました。昨日まとめた「神の数式」の第1回、第2回は標準理論に付いての説明でした。第3回、第4回はその標準理論とアインシュタインの一般相対性理論の統合。ミクロの理論と宇宙を記述するマクロの理論を統合する物理学者たちの苦闘を描いた話です。
量子力学の標準理論は、数学の対称性をもとに築きあげられました。そしてアインシュタインの一般相対性理論はいわゆる思考実験の産物ですね。物理学は人の思考から生まれ、それが正しいのかを実験で検証する学問という事です。シュレディンガー以前の物理は実験があって、それを数式に置き換える学問だったはずです。学生時代の授業も、初めに実験ありき、と言う事を教えてくれたはずです。しかし、近代物理学は違うんでね。それを実感します。
とにかく神の数式 第3回、第4回は、標準理論と一般相対性理論の統合をして超弦理論に到達するまでの道のりを一通り説明しています。その道筋をまとめてみましょう。
 
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第3回 神の数式
アルバート・アインシュタイン 一般相対性理論発表 1911年~1916年
 
--ブラックホールの底を表せる数式の探求 → 宇宙誕生の謎を解ける?
--一般相対性理論に標準理論を合わせてはどうか?
 
マトベイ・ブロンスタインの論文「重力波の量子化について」1936年
 
--一般相対性理論式と標準理論式を統合すると、1/0 が出てきて∞になってしまう。
--くりこみ理論でもこの∞は解消できなかった。
 
シャーク、シュワルツの論文「非ハドロン粒子の双対モデル」1974年(粒子を点ではなく震える輪ゴム)超弦理論の誕生
 
スティーブン・ホーキング 宇宙誕生の状態はブラックホールの奥底の状態と同じ事を証明。
 
--しかし一般相対性理論ではブラックホールの底のゆがみは∞となる。
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第4回 神の数式
--超玄理論から粒子の重さを計算すると 0 にならない。これは標準理論と矛盾する。
--この世が4次元(空間と時間)ではなく10次元でなくてはならない事になってしまう。
 
カラビヤウ多様体(異次元)の一部 の発見 (超ミクロの世界に異次元が隠れている)
 
--この世は4次元でなくてはならない証明もない。
 
マイケル・グリーン、シュワルツ 一般相対性理論と標準理論からともに 完全数496 を導く
神の数式にたどり着いたかと思われた。
 
--ホーキング・パラドックス(ブラックホールの蒸発)が立ちはだかる。
--どうしてブラックホールの底は素粒子が動けないのに温度があるのか?
 
ジョセフ・ポルチンスキーが超弦理論に膜の理論を持ち込む
カムラン・バファの計算が、ホーキング・パラドックスを、この膜の理論で解決。2004年頃
 
エドワード・ウィッテン M理論の提唱。(11次元の世界)
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一通りまとめるとこんな流れになります。第1回、第2回とは違い、この3回と4回はまぎれもなく、物理学者の苦闘を紹介するものです。いまだ確定していない理論の紹介と考えるべきです。ホーキング・パラドックスが数式上納得のいく解答が見つかったとはいえ、10次元世界をはいそうですかと受け入れる事はなかなか難しいです。たとえそれが超ミクロの世界に限った話であってもです。
アインシュタインの予言、重力波が実際に観測されたのは去年の9月でした。これで一般相対性理論の方程式は間違いなく正しい数式でしょう。また、標準理論も正しい事は疑えません。しかし、この2つを合わせた超弦理論の数式は未だに進化しているところです。今後が楽しみです。
では今日はこの辺で。
 
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