TOP

Home  >  ブログ  >  時空 解  >  数学検定  >  準1級、1次検定の過去問。$ \sqrt{ 3 } \tan^2 \theta + (\sqrt{ 3 } - 1) \tan \theta - 1 \lt 0 $

時空 解 さんの日記

 
2021
11月 11
(木)
11:41
準1級、1次検定の過去問。$ \sqrt{ 3 } \tan^2 \theta + (\sqrt{ 3 } - 1) \tan \theta - 1 \lt 0 $
本文
 
皆さんこんにちは、時空 解です。

今日は表題のとおり、準1級の1次検定で出題された過去問について書いてみます。
実はこの問題。8月22日のコメント欄でも取り上げているのですが…
RE: ファインマン物理学 第1巻 第4章 エネルギーの保存 4-4 エネルギーの他の形 (整理完了)

見て頂ければわかるとおり、3ヶ所の修正があります。( ^^;

ですので、今日は改めて問題の解説をしたいと思います。それもちょっと違う方向からね。

 

 - 問題 -
$ 0 \lt \theta \lt \pi $ のとき、次の不等式を満たす $ \theta $ の値の範囲をもとめなさい。
$ \sqrt{ 3 } \tan^2 \theta + (\sqrt{ 3 } -1) \tan \theta - 1 \lt 0 $
 

 

 - 私なりの解答 -
この問題は、まずは $ \tan \theta $ を $ x $ などに置き換えて、与式をスッキリさせることですよね。
$ \sqrt{ 3 } x^2 + (\sqrt{ 3 } -1) \cdot x - 1 \lt 0 $    …(1)

これで随分と左辺が因数分解がし易くなったのではないでしょうか。さっそく因数分解をすると
$ (\sqrt{ 3 } x - 1)(x + 1) \lt 0 $

となりますよね。
$ (\sqrt{ 3 } x - 1)(x + 1) = 0 $ の時の $ x $ の値は
$ x = -1 $、$ \displaystyle \frac{ 1 }{ \sqrt{ 3 } } $

(1) の二次方程式のグラフは 下に凸 なので、
$ -1 \lt x \lt \displaystyle \frac{ 1 }{ \sqrt{ 3 } } $

$ x = \tan \theta $ より
$ \therefore -1 \lt \tan \theta \lt \displaystyle \frac{ 1 }{ \sqrt{ 3 } } $       …(2)

また、問題の条件に $ 0 \lt \theta \lt \pi $ とあるので、この条件と (2) が同時に成立する $ \theta $ の範囲は
$ 0 \lt \theta \lt \displaystyle \frac{ \pi }{ 6 },$ $ \displaystyle \frac{ 3 \pi }{ 4 } \lt \theta \lt \pi $
--------------------------------


上記のように記述すれば、○は貰えるとは想うのですが…

でも $ \tan \theta $ の $ \theta $ と二次方程式の $ x $ の関係、(1) と (2) の関係がなんだかスッキリしませんよね。
「tanθをxに置き換えた場合って…2次式はどのような形状になるのだろうか…?」
「置き換えた x の範囲ってどうなるのかな…?」
こんな疑問を感じる方も多いのではないでしょうか?

私も同じ疑問を感じていた時期があります。

でもこれ。次のように考えてみればスッキリしてくると思いますよ。
例えば下記の問題を考えてみてください。

問題
$ \sqrt{ 3 } x^2 + (\sqrt{ 3 } -1) \cdot x - 1 \lt 0 $ において、次の問いに答えなさい。
(1) $ x $ が実数の場合、それが取り得る範囲
(2) $ x $ が整数の場合、それが取り得る値
(3) $ x $ が5通りの値 $ \displaystyle \frac{ \pi }{ 2 }, \displaystyle \frac{ \pi }{ 3 }, \displaystyle \frac{ \pi }{ 4 }, \displaystyle \frac{ \pi }{ 5 }, \displaystyle \frac{ \pi }{ 6 }, $ を取る場合、それが取り得る値


(1) の答えは $ -1 \lt x \lt \displaystyle \frac{ 1 }{ \sqrt{ 3 } } $ でいいですよね。

では、(2) はどうでしょうか?
これは $ x = 0 $ のみが答になります。

(3) ついては $ x = \displaystyle \frac{ \pi }{ 6 } $ が範囲 $ -1 \lt x \lt \displaystyle \frac{ 1 }{ \sqrt{ 3 } } $ に入っていますよね。

ここまでくるとイメージが沸いてきたのではないでしょうか?

$ x = \tan \theta $ と言うのは「変数 $ x $ の取り得る値の範囲を限定する式」と考えられますよね。$ x $ は「実数」とか「整数」と言った、制約と同じようなものです。
ですから限られた範囲の「分数値とか小数値」と見ることができます。

こう考えられれば $ x $ と $ \tan \theta $ の関係が単純なものに見えてくると思います。

数学の問題は、例えば2次方程式に付いては $ x $ を実数の範囲で考えたり、整数論の問題ならば、その範囲を整数で考えたりします。
これと同じで $ x $ を $ \tan \theta $ の範囲で考えると言うことです。
$ \theta $ と2次式の形はどう結び付くのか分かり難いですが、「$ x $ は整数」と言う限定と2次式の関係のようなニュアンスだと想えます。

では今日も休日を始めています。休日の充実こそ、人生の充実です。また夜お会いできるよう、努力しています。

【今日の記事を評価して頂けましたら、下記をクリックしてね。Amazon サイトで関連書籍・商品が見れます (アフィリエイトにご協力をお願いします) 】
   ♪ - クリックのみでも充分に嬉しいです - ♪
       ------------------------------    
閲覧(1110)
コメントを書く
コメントを書くにはログインが必要です。
メインメニュー
ログイン
ユーザー名:

パスワード:



日記投稿者リスト
カレンダー
月表示
カテゴリー
にほんブログ村リンク